5−1−2国民サービスの向上
CALSの概念である情報の共有は、業務の効率化だけでなく国民サービスの向上において新たな付加価値をもたらすものである。情報の共有とは、行政機関内のみではなく、行政機関と国民の間の情報共有であり、国民サービスのさらなる向上と新しいサービスの在り方が期待される。
例えば、情報を電子的に一元管理して情報公開することによって、国民はより迅速かつ容易に情報を得ることができるであろう。又、調達や申請手続きは自宅や身近な施設にあるパソコンで行うことが可能となるであろう。さらに、業務プロセスの改善によって、労働集約的な作業が効率化されるぶん、職員は窓口でのコミュニケーションの充実など付加価値の高い業務に時間と労力をかけることができるようになると考えられる。
それでは、国民サービスの向上という面から、具体的な効果を業務分野別に見ていきたいと思う。
(政策立案及び指示・指導)
情報公開については、ネットワーク上で公開するためにはデータの変換だけで可能となるため、従来のデータ入力といった内部処理等に時間をとられず、国民は従来より早く政策案や指導文書を見ることができるようになる。又、法律、通達、閣議決定などのデータはSGMLによる階層構造によってデータベースに蓄積されれば、国民が知りたい情報を効率よく入手できる環境が整備されると考えられる。
(調達)
入札情報などの調達のための情報交換や取引きをネットワーク上で行うことができるようになるため、処理が迅速になり、行政機関と民間企業ともに時間とコストの削減につながるであろう。
(届出・申請)
電子データによる届出・申請の実現は、システム上は24時間受け付け可能になり、国民の利便性が向上することが期待される。いわゆる、ノンストップ・サービスといわれるシステムの基盤が整備されることとなるであろう。
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